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赤坂で産声を上げた「G-men」。

創刊から2年ほど経った頃、編集部は新宿区荒木町に移転しました。

順調に読者を獲得し、赤坂のオフィスでは手狭になったからです。

移転先はこちらのビル。

arakicho01.jpg

当時まだ築後1、2年の真新しいビルで、編集部はここの2階。

間口は広くありませんが奥行きがあり、事務所面積は倍増しました。

(1階は『am/pm』からファミマに看板が変わっただけで、「編集部の冷蔵庫」と言われていた頃のままです)

打ち合わせやら何やらで、ここにはいつも作家さんたちが出入りしていました。




余談ですが、

荒木町にはゲイ雑誌の歴史を語る上で忘れてならない会社があります。

それは『さぶ』誌をを発行していた「サン出版(現「マガジン・マガジン」社)」。

今も立派な自社ビルをお持ちです。

同じ「津の守坂通り」に面して、直線距離は100mくらい。

G-men隆盛の陰で「さぶ」は静かに廃刊となりました。




思えば編集部がこのビルにあった頃が「G-men」の全盛期でした。

「ジーメン系」「スーパーガッチリ」などの言葉がゲイ界隈に浸透し、

ヒゲ&短髪の野郎系というジャンルが完全に確立されたのもこの頃です。



新宿二丁目全体を会場にして『G-men祭』というイベントも開催されました。

夏のレインボーパレードに「G-menブース」や「G-menフロート」も出ましたね…(遠い目)。



この頃のG-menに関連して、

作家の立場から忘れられない場所がもう一つあります。

それがこちら。

arakicho04.jpg

新宿通りに面したこのビルの4階に貸し会議室があり、

毎年年末にG-men関係者の「忘年会」が開かれました(新年会だった年も)。



雑誌の世界では「編集者を中心に作家と1対1」という関係が基本です。

ですがこの忘年会では他の作家さんたちと直に会って話をし、連絡先を交換し合い、交流が始まるきっかけになりました。


忘年会には作家・ライターと編集者だけでなく、グラビアモデル、印刷会社、ショップ関係など、

G-menに関わるあらゆる方たちとそのパートナーや友人が参加していました。

立食形式の会場は毎回満員電車状態。



私は誌面で憧れていたモデルさんにセクハラしたり と写真を撮ったり、

某イケメン作家さんをお持ち帰りしようとして失敗したり。

・・・懐かしくも恥ずかしい記憶ばかりです(汗)。







そして時は流れ、

「紙媒体離れ」の大きな波にG-men誌も呑み込まれます。

編集部員も作家も大きな環境の変化に直面しました。

発行会社が変わり、編集部も移転しました。


移転先のビルはこちらです。

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あ、あれっ? な…ない!

麹町第二ビルが消えてる!

1階にジョナサンが入った、あのビルが跡形もなく。

どうやら一帯が再開発されることになり、一足先に取り壊されたようです。




その後編集部はサブカルの聖地・中野に移転し、

そこで「休刊宣言」を出すに至りました。

そして来月には心機一転、

超高層ビルが林立する西新宿に事務所を移して再始動とのことです。



新しい場所でどんな動きが始まるのか、

期待をしながらその時を待っております。











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2016_03_23


雑誌「G-men」の休刊発表から1か月。


休刊への予想以上の反響には正直驚きました。
スルーされると思いきや、ネットニュースやSNSで大きな話題に。

「ゲイ雑誌」という媒体のあり方が論じられていましたね。



さて、そんなほどぼりも冷めてきた今日この頃。
ちょっと赤坂まで行ってきました。



意外に思われる方も多いでしょうが、
雑誌「G-men」創刊時の編集部は東京・港区の赤坂にありました。
いわば「生誕の地」。

(生誕の経緯は→マーガレット氏が2chopoで書いて←いらっしゃるのでご一読を)



あの場所が今はどうなっているのかと、
10%のノスタルジーと90%の野次馬根性。
そんな気分になるのは、やはり春のせいでしょう。



地下鉄を降り、東宮御所を見ながらしばし歩き、
再開発で根こそぎ変わった街を、
それでも記憶を辿りながら歩き回ることしばし。


・・・あった!

001.jpg

一方通行の狭い道と人ひとりやっと通れる路地。
その角に建つこぢんまりした3階建てのビル。

このビルの1階にある一室で「G-men」は誕生したのです。



20年という時の経過を感じさせない佇まい。
ビルは古ぼけも、汚れもせずに建っていました。

この頃関わっていた皆さんには懐かしい画像ではないでしょうか。

002.jpg

路地を入った所にある玄関。
ゲイアートの大物も、私のような駆け出しの素人も、
新しい雑誌への情熱を抱いて出入りしました。



どんな雑誌にしていこうかと、
長谷川ピンクベア編集長を中心に毎日が作戦会議。
編集部というよりも「アジト」といった風情でした。

003.jpg


周りは再開発ですっかり変わってしまったのに、
このビルがある一帯だけはエアポケットのように以前のままの雰囲気。
もちろん、一つ一つの建物は建て替えられているのですが。

004.jpg


ここでお会いした作家さんや編集関係の方たちの顔を懐かしく思い出しながら、
次の目的地を目指しました。



(後編は近日中にアップします)






2016_03_14



さて、長々と語ってしまいましたが、

ここで最初の問題に戻りましょう。




「日本のゲイエロ小説は海外に進出できるのか」。




過去5回に渡ってみてきたとおり、

ゲイエロ小説では単語や文体の選択がとても重要です。

そのニュアンスを壊さずに外国語に翻訳する。

これは想像以上に大変なことだと思います。





ストーリーにふさわしい文体で叙述を書き、

あえぎ声、よがり声、絶頂の声でも

主人公やシチュエーションに相応しい言葉を選ぶ。

並大抵なことではありません。





それぞれの国の文化や習慣を知った上で、

その溝を跳び越えてしまうレベルの翻訳。


細かい部分の不一致など気にせず、

とにかく読み手を引き込む力のある文体。


大昔に流行った「超訳」レベルの翻訳能力が必要かも。


懐かしいですね、アカデミー出版




このような翻訳能力があって、

なおかつ両方の言語でエッチの実戦経験がある方でなければ、

「ヌケる」翻訳は難しいのではないでしょうか。




そんな人が果たして何人いるのやら。

それに、そんな実力があればエロ以外の仕事が殺到するでしょうし。

そもそもゲイエロ小説って原稿料が安…

おっと、これは内輪の話。





それと、これはもっと大きな壁かも知れませんが。

「アダルト」分野の表現規制の問題があります。




日本では児童ポルノ以外に目立った規制はありません。

ですがこれは世界的には異例なこと。



たとえばアメリカでは(州によっても違いますが)、

レイプ物、痴漢物は即アウトです。

違法行為の描写ということで。



成人同士が、互いの合意の下で行う行為以外はすべて御法度。

逆に、互いが合意しているという意味で、SMプレイはかなりハードでもお咎めナシ。

まあ当たり前といえば当たり前なんですけどね。


それを考えると、ますます敷居が高くなってしまいます。



ちょっと後ろ向き気味の結論ですが、

ゲイエロ小説はそれぞれの国で、それぞれの言語で楽しむのが一番。

もし国境を越えるならコミック化か映像化が最善策でしょう。



もちろん、もし「翻訳したい!」という奇特な方がいらっしゃれば、

いつでもお声かけくださいまし。

お待ちいたしております。




日本のゲイに、日本のジーメン。




2015_05_27



ゲイエロ小説の文体について考えてみます。



まず小説の基本として、

「一人称」と「三人称」という分類ができます。



「太郎は自分の勃起を握った」は三人称。

「私は自分の勃起を握った」は一人称。

ゲイに限らずエロ小説の場合、

一人称の作品が多いように感じます。



性的快感やその前後の心情を表現する時、

一人称のほうがリアリティを出しやすいことが理由でしょう。

第三者目線で客観的に語る三人称文体は、

ストーリー性の強い作品に向いているかも知れません。




さて、その一人称。

主人公が自分を何と呼ぶかによって作品のテイストが決まります。



「ボク」 「僕」 「私」 「俺」 「儂(わし)」 「ワイ」…。

上の例文「●は自分の勃起を握った」に、

それぞれの一人称を入れてみてください。



「ボク」は幼い感じがしますね。十代くらい。

「僕」になると成人はしているけれどまだヒヨッコ。大学生くらいでしょうか。

「私」を入れるとなぜかスーツリーマンが浮かんできます。

「俺」は制服・作業着・ユニフォームなど、男臭い雰囲気。

「儂」はめったに見かけませんが、時代物の中年男の印象。

「ワイ」は遊び慣れたエロい関西のオッサン…と感じるのは偏見?(汗)




どんな一人称を使うかによって述語も変わってきます。

「ボク」や「僕」だと「…しました」

「私」なら「…しました」「…した」

「俺」だと「…した」「…したッス」  (以下略)

だんだんハードな響きの述語になります。



この一人称、

こだわる読者さんはとことんこだわるようです。

以前ある作品に関して、

「なぜ主人公が『私』なんですか。これ絶対に『俺』でしょう!」

と抗議を受けたことがあります。



また別の方(私の友人でもあります)は、

ヌケる小説の一人称が「俺」の時は全部「私」に変換するとのこと。

つまり全文(もしくは主要部だけ?)パソコンに手作業で打ち込んで、

そのうえで一人称だけを変えるそうです。

でないと「ヌケないから」と。


思わず言ってしまいました。

「だったら自分で小説書いたほうが早いんじゃ?」と。

「そういう問題じゃない」と一蹴されましたけど。




それと「俺…ッス」も多いですね。

体育会系、制服系、ガテン系、そのあたりの作品に目立ちます。

あまり多すぎるとこれまた読みづらくて仕方がないのですが。




「…ッス」っていう語尾、

現実世界で使う方はごくごく限られていると思います。

今は体育会学生でも「…です」が標準ですし。


リアルに「…ッス」が一番使われているのはゲイセックスの現場ではないかと、

実は密かに思っていたりもします。





小説にしろ現実のセックスにしろ、

ゲイの間では「上下関係ファンタジー」がとても強いと感じます。

対等にラブラブな二人というのは恋愛関係では「アリ」でも、

セックスファンタジーの中では退屈なのかも知れません。



「兄貴と弟分」「先輩と後輩」「上司と部下」「ご主人様と奴隷」…。

ゲイエロ小説の8割以上はそんな上下関係がベースになっています。

同じ性同士ゆえに、

格差が存在したほうが相互の関係が明確になるのでしょう。



当然ながらセリフもそれに見合ったものになり、

「…だろ! オラッ!」
「ウッス! そうッス!」

的な「オラオラ系」のやりとりになるわけですね。


ノンケ物のポルノにも「オラオラ系」はありますが、

ゲイの間での「オラオラ比率」は比べものにならないほど高いでしょう。



さて、長々と続いたこの話題もようやく終わりが見えてきました。

次回でファイナルです。






そんな視点で小説を読んでみてはいかがでしょう。




  

2015_05_22



さて、『「叙述」と「セリフ」のバランス』の続きです。



エロ小説全体を見てみると、

叙述部分とセリフ部分の比率は5:5、

ほぼ半々くらいの作品が多いようです。


そのくらいがパッと見た時にとっつきやすいですね。

それ以上に叙述部分が多いと誌面の「ベタ感」が強くなって、

読み始めるのに軽い「覚悟」が必要になります(笑)。



エロ小説だからといって性行為のシーンだけでは成り立ちません。

登場人物の人となり、その背景、

二人(それ以上の時もありますが)が行為に至るまでの経緯。

そこが書き込まれて、はじめて彼らの行為が「エロく」感じられるわけで。




そのあたりを叙述して、

登場人物のセリフで現実感を出しながら「行為」へ。


行為のシーンはセリフが多くなるのは必定。

あえぎ声、ヨガリ声、言葉責め、絶頂の雄叫び…。

「 」が並ぶ中に時々叙述が混じります。

行為シーンだけに限れば、

セリフの比率は7割、いや8割近くなるようです。




さきほど「平均で5:5」と書きましたが、

この比率は作品や書き手のテイストによって多少変わります。

たとえばコミカルで軽妙なタッチの作品ではセリフが多く、

シリアス系やSM系の作品では叙述部分が多くなります。



また、叙述の文章自体が艶めかしい作家さん(独白形式が多いです)は

セリフが全体の1割、2割ということもあります。



過去、私も試験的に

極端にセリフが少ない小説を書いたことがあります。

セリフ率、3%未満!(笑)

登場人物の言葉を叙述に混ぜ込んでしまう手法でした。


SM誌向けのマニアックかつハードな作品なので、

この先配信などでお読み頂ける機会はないと思いますが。





あの宇能鴻一郎センセの

「あたし~なんです」

「わたし~しちゃいました」

…的なあの文体は、「エロい叙述」の最高峰かと。



宇能鴻一郎さんといえば、
昨年発表した「夢十夜」には驚かされました。



おなじみの文体とは一転、
純文学回帰?とも感じさせる不思議な作品で。
あまり大きな話題にはなりませんでしたけどね。





さて、叙述とセリフ、

どちらにも書き手のテイストというか、クセというか、

その方ならではの特徴がありますね。もちろん私にもあります。



それが読む方の好き嫌いを決定づける大きな要素になります。

もっと言うならば、

抜けるか抜けないかの境目がソコだと思います。

だからこそ、それぞれの書き手にファンがいるわけで。



ゲイエロ小説のテイストを決定づける「文体」について、

次回考えてみたいと思います。




新号が出たようです。
私の作品は載っていませんが、よろしければ。




 
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プロフィール

きひら

Author:きひら
城平 海(きひら・かい)です。

ゲイ向けエロティック小説の他、「ゲイがいる日常」をテーマにした非エロ小説も書いています。
140字では書き足りないあれやこれやを、こちらに書きつけていこうと思います。
どうぞよろしゅうに。

雑誌「G-men」休刊に伴い、現在Kindleへの移行作業中です。

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