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さて、長々と語ってしまいましたが、

ここで最初の問題に戻りましょう。




「日本のゲイエロ小説は海外に進出できるのか」。




過去5回に渡ってみてきたとおり、

ゲイエロ小説では単語や文体の選択がとても重要です。

そのニュアンスを壊さずに外国語に翻訳する。

これは想像以上に大変なことだと思います。





ストーリーにふさわしい文体で叙述を書き、

あえぎ声、よがり声、絶頂の声でも

主人公やシチュエーションに相応しい言葉を選ぶ。

並大抵なことではありません。





それぞれの国の文化や習慣を知った上で、

その溝を跳び越えてしまうレベルの翻訳。


細かい部分の不一致など気にせず、

とにかく読み手を引き込む力のある文体。


大昔に流行った「超訳」レベルの翻訳能力が必要かも。


懐かしいですね、アカデミー出版




このような翻訳能力があって、

なおかつ両方の言語でエッチの実戦経験がある方でなければ、

「ヌケる」翻訳は難しいのではないでしょうか。




そんな人が果たして何人いるのやら。

それに、そんな実力があればエロ以外の仕事が殺到するでしょうし。

そもそもゲイエロ小説って原稿料が安…

おっと、これは内輪の話。





それと、これはもっと大きな壁かも知れませんが。

「アダルト」分野の表現規制の問題があります。




日本では児童ポルノ以外に目立った規制はありません。

ですがこれは世界的には異例なこと。



たとえばアメリカでは(州によっても違いますが)、

レイプ物、痴漢物は即アウトです。

違法行為の描写ということで。



成人同士が、互いの合意の下で行う行為以外はすべて御法度。

逆に、互いが合意しているという意味で、SMプレイはかなりハードでもお咎めナシ。

まあ当たり前といえば当たり前なんですけどね。


それを考えると、ますます敷居が高くなってしまいます。



ちょっと後ろ向き気味の結論ですが、

ゲイエロ小説はそれぞれの国で、それぞれの言語で楽しむのが一番。

もし国境を越えるならコミック化か映像化が最善策でしょう。



もちろん、もし「翻訳したい!」という奇特な方がいらっしゃれば、

いつでもお声かけくださいまし。

お待ちいたしております。




日本のゲイに、日本のジーメン。




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2015_05_27



ゲイエロ小説の文体について考えてみます。



まず小説の基本として、

「一人称」と「三人称」という分類ができます。



「太郎は自分の勃起を握った」は三人称。

「私は自分の勃起を握った」は一人称。

ゲイに限らずエロ小説の場合、

一人称の作品が多いように感じます。



性的快感やその前後の心情を表現する時、

一人称のほうがリアリティを出しやすいことが理由でしょう。

第三者目線で客観的に語る三人称文体は、

ストーリー性の強い作品に向いているかも知れません。




さて、その一人称。

主人公が自分を何と呼ぶかによって作品のテイストが決まります。



「ボク」 「僕」 「私」 「俺」 「儂(わし)」 「ワイ」…。

上の例文「●は自分の勃起を握った」に、

それぞれの一人称を入れてみてください。



「ボク」は幼い感じがしますね。十代くらい。

「僕」になると成人はしているけれどまだヒヨッコ。大学生くらいでしょうか。

「私」を入れるとなぜかスーツリーマンが浮かんできます。

「俺」は制服・作業着・ユニフォームなど、男臭い雰囲気。

「儂」はめったに見かけませんが、時代物の中年男の印象。

「ワイ」は遊び慣れたエロい関西のオッサン…と感じるのは偏見?(汗)




どんな一人称を使うかによって述語も変わってきます。

「ボク」や「僕」だと「…しました」

「私」なら「…しました」「…した」

「俺」だと「…した」「…したッス」  (以下略)

だんだんハードな響きの述語になります。



この一人称、

こだわる読者さんはとことんこだわるようです。

以前ある作品に関して、

「なぜ主人公が『私』なんですか。これ絶対に『俺』でしょう!」

と抗議を受けたことがあります。



また別の方(私の友人でもあります)は、

ヌケる小説の一人称が「俺」の時は全部「私」に変換するとのこと。

つまり全文(もしくは主要部だけ?)パソコンに手作業で打ち込んで、

そのうえで一人称だけを変えるそうです。

でないと「ヌケないから」と。


思わず言ってしまいました。

「だったら自分で小説書いたほうが早いんじゃ?」と。

「そういう問題じゃない」と一蹴されましたけど。




それと「俺…ッス」も多いですね。

体育会系、制服系、ガテン系、そのあたりの作品に目立ちます。

あまり多すぎるとこれまた読みづらくて仕方がないのですが。




「…ッス」っていう語尾、

現実世界で使う方はごくごく限られていると思います。

今は体育会学生でも「…です」が標準ですし。


リアルに「…ッス」が一番使われているのはゲイセックスの現場ではないかと、

実は密かに思っていたりもします。





小説にしろ現実のセックスにしろ、

ゲイの間では「上下関係ファンタジー」がとても強いと感じます。

対等にラブラブな二人というのは恋愛関係では「アリ」でも、

セックスファンタジーの中では退屈なのかも知れません。



「兄貴と弟分」「先輩と後輩」「上司と部下」「ご主人様と奴隷」…。

ゲイエロ小説の8割以上はそんな上下関係がベースになっています。

同じ性同士ゆえに、

格差が存在したほうが相互の関係が明確になるのでしょう。



当然ながらセリフもそれに見合ったものになり、

「…だろ! オラッ!」
「ウッス! そうッス!」

的な「オラオラ系」のやりとりになるわけですね。


ノンケ物のポルノにも「オラオラ系」はありますが、

ゲイの間での「オラオラ比率」は比べものにならないほど高いでしょう。



さて、長々と続いたこの話題もようやく終わりが見えてきました。

次回でファイナルです。






そんな視点で小説を読んでみてはいかがでしょう。




  

2015_05_22



さて、『「叙述」と「セリフ」のバランス』の続きです。



エロ小説全体を見てみると、

叙述部分とセリフ部分の比率は5:5、

ほぼ半々くらいの作品が多いようです。


そのくらいがパッと見た時にとっつきやすいですね。

それ以上に叙述部分が多いと誌面の「ベタ感」が強くなって、

読み始めるのに軽い「覚悟」が必要になります(笑)。



エロ小説だからといって性行為のシーンだけでは成り立ちません。

登場人物の人となり、その背景、

二人(それ以上の時もありますが)が行為に至るまでの経緯。

そこが書き込まれて、はじめて彼らの行為が「エロく」感じられるわけで。




そのあたりを叙述して、

登場人物のセリフで現実感を出しながら「行為」へ。


行為のシーンはセリフが多くなるのは必定。

あえぎ声、ヨガリ声、言葉責め、絶頂の雄叫び…。

「 」が並ぶ中に時々叙述が混じります。

行為シーンだけに限れば、

セリフの比率は7割、いや8割近くなるようです。




さきほど「平均で5:5」と書きましたが、

この比率は作品や書き手のテイストによって多少変わります。

たとえばコミカルで軽妙なタッチの作品ではセリフが多く、

シリアス系やSM系の作品では叙述部分が多くなります。



また、叙述の文章自体が艶めかしい作家さん(独白形式が多いです)は

セリフが全体の1割、2割ということもあります。



過去、私も試験的に

極端にセリフが少ない小説を書いたことがあります。

セリフ率、3%未満!(笑)

登場人物の言葉を叙述に混ぜ込んでしまう手法でした。


SM誌向けのマニアックかつハードな作品なので、

この先配信などでお読み頂ける機会はないと思いますが。





あの宇能鴻一郎センセの

「あたし~なんです」

「わたし~しちゃいました」

…的なあの文体は、「エロい叙述」の最高峰かと。



宇能鴻一郎さんといえば、
昨年発表した「夢十夜」には驚かされました。



おなじみの文体とは一転、
純文学回帰?とも感じさせる不思議な作品で。
あまり大きな話題にはなりませんでしたけどね。





さて、叙述とセリフ、

どちらにも書き手のテイストというか、クセというか、

その方ならではの特徴がありますね。もちろん私にもあります。



それが読む方の好き嫌いを決定づける大きな要素になります。

もっと言うならば、

抜けるか抜けないかの境目がソコだと思います。

だからこそ、それぞれの書き手にファンがいるわけで。



ゲイエロ小説のテイストを決定づける「文体」について、

次回考えてみたいと思います。




新号が出たようです。
私の作品は載っていませんが、よろしければ。




 
2015_05_20



さて「文字ヌキ」の続きです。



前回、「文字ヌキ」には向き不向きがあると書きました。

では向いている方にはどんな文章でもいいのかと言えば、

そんなことはありません。

当然ですよね。




ここから先は書き手ではなく読み手の一人としての意見です。




次のようなオナニー小説(自慰ではなく自己満足)は個人的に勘弁願いたいです。


1.怒濤のように淫語・卑語(イヤラシイ言葉)が並んではいるものの、

その言葉が出てくる必然性がわからない。


2.わざと難しい漢字が使われていて、

「これ何て読むんだっけ」と気をとられてエロ妄想が中断される。


3.状況描写や心理描写の説明文が長すぎて、

誌面全体が黒い(活字でビッシリ埋め尽くされている)。




1については自戒も込めております。

とくにエロ小説を書き始めた時期にはそういう傾向がありました。

今は「イヤラシイ言葉を使わずに最高にイヤラシイ表現ができないか」を

ひたすら模索しております。




2については難しい点だと思います。

難しい漢字が全部ダメかといえば、そうとは限りませんし。

たとえば

「●●をくわえる」「●●を咥える」

どちらが性的妄想をかき立てるでしょうか。




3はエロ小説の肝だと、私は思っております。

エロ小説を読む方は文章を楽しむのではありません。

その文章が描く世界を想像して楽しみます。

生臭い表現になりますが、「片手に雑誌、片手にチ●コ」の状態。



そこでは「読解力」に向けるエネルギーは最小限に、

それでいて、しっかり生々しく伝わらなければ意味がありません。



さて、その時にポイントになるのは何でしょう。




10代半ばからゲイエロ小説を読み続けてきた経験から申し上げれば、

(しつこいようですが私個人の意見です)「叙述」と「セリフ」のバランスだと考えます。



セリフ、つまり登場人物の語りですね。「」でくくられる部分。

これが挿入されることで物語にリアリティが生まれます。

また、文面に適度な空白が生まれて読みやすくなります。




まあ、セリフばかりでも物語として苦しいのですけどね。

そのあたりについては次回くわしく書きたいと思います。



伝わりますか?
2015_05_17



前回からの「お題」は

「文字ヌキと画像・映像ヌキの違いはどこにあるのか」

ということでした。



結論から言ってしまえば

「文章は好きなように変換できる」

ということです。



実在するモデルが「あんなこと」や「こんなこと」をしている画像や映像。

それはスゴく興奮しますよね。

モ デ ル が 自 分 の 好 み な ら ば 。



逆に言うなら

タイプ外のモデルが何をしようが心もアソコもピクリともしません。

見るだけ時間の無駄。




その点、文章は自由です。



たとえば

「ガッシリした体に男臭い面構え」

という表現があった場合。




太め好きな方ならポッチャリ力士体型に

スリム好きならスジ筋体型に

頭が自動変換してくれます。


顔についても同じことで

読む方が「男臭い」と思う有名人・知人・アニメキャラ(?)を自動選択。


ということで出来上がった「完璧に好みな男」が、

とても映像化できない濃厚なエッチを繰り広げる。

これが「文字ヌキ」の醍醐味です。





そのために私は書き手として、心がけていることがあります。
(あくまでも私の場合です)

1.必要がない限り登場人物の身長体重は明記しない。

2.顔についての細かい描写をしない。

この2点は守るようにしています。



まあ、そんな努力も挿絵を描いてくださるイラストレーターの先生次第。
「百聞は一見にしかず」ですから。
こちらの「曖昧さ」を読み取って描いて下さる先生もいれば、
内容にまるで関係なく自分好みのキャラを描く先生もいます。
いえ、どの先生にも感謝申し上げておりますよ。
「この先生だけは勘弁して~!」と編集部に泣きついたのは過去に1回だけ(笑)。






その「文字ヌキ」ですが、好きな方は大好きですがダメな方はまるでNG。

文章はどれだけ読んでも文章でしかなく、

そこから映像を想像するなんて無理なのだそうで。



素人考えですが、これはおそらく読解力やら想像力の問題ではなく、

いわゆる「脳の構造・働き」に起因するのではないかと。

右脳・左脳の違いとも関係ありそうです。

なので能力の優劣とは関係なく、無理な方には無理、なのだと思います。




さて、長くなったので続きは次回に。





内容とは関係ありませんが、コラブロの動画をどうぞ。



2015_05_15


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プロフィール

きひら

Author:きひら
城平 海(きひら・かい)です。

ゲイ向けエロティック小説の他、「ゲイがいる日常」をテーマにした非エロ小説も書いています。
140字では書き足りないあれやこれやを、こちらに書きつけていこうと思います。
どうぞよろしゅうに。

雑誌「G-men」休刊に伴い、現在Kindleへの移行作業中です。

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